バスケ人気で大ブーム、若者の足元を支える 「スニーカー」
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やっぱ スポーツウェアには スニーカーっしょ (寐津菟かき子) |
「スニーカー」(sneakers) とは、布製や革製で 靴底 にゴムを用いた 靴 のことです。 名前の由来は英語の sneak(忍び寄る) で、柔らかいゴム底によって足音が静かなことからつけられたものです。
靴底 (ソール) がゴム製であればスニーカーだという定義もありますが、安価で滑り止め効果にも優れたゴム底は現在はありとあらゆる靴に用いられており、厳密な定義はありません。 布製で学校の運動・通学用に用いられるものは ズック とかキャンバスシューズ、グランド靴 (グラウンド靴) と呼ぶこともあります。
ソール以外のアッパー部分の形状は、スリッポン のような簡単な作りのものから、靴紐がついているもの、マジックテープやファスナーがついているもの、近年では靴底に透明なプラスチックを用いた クリア ソールスニーカーや、主に衝撃吸収のための特殊な機構を持つ物なども登場しています。 一般にスニーカーと聞いて連想するのは靴紐がついていて 編み上げ て結ぶタイプですが、時代を経るごとにその バリエーション は増え続けています。
主な用途として、その動きやすさなどからスポーツ用として用いられるタイプが多いでしょう。 1860年代にイギリスで作られるようになったゴム底靴はクロッケーやテニスの際に用いられ、その後は他のスポーツにも波及。 バスケットボールシューズやランニングシューズなど様々な分野でも使われるようになりました。 それぞれのスポーツに特化した商品もあれば、学校の体育などで使いやすい汎用のものもあります。
機能性を重視した 運動靴 としての使われ方が多いものの、1960年代には履きやすさや汚れても水洗いできる便利さから子供や若者の 日常 の足としても浸透。 さらに1980年代以降は、若者だけでなく大人の ファッション アイテム、あるいはひとつの文化 (反権威主義とかストリート文化) の象徴としても用いられるようになっています (後述します)。
日本では輸出用として生産されたり、子供用やスポーツ用として普及
日本では福岡の月星ゴム (現:ムーンスター社) が1920年頃からアメリカのスニーカーを参考に子供用布靴の研究を開始し、当初は足袋をゴム底にするなどに留まっていたものの、ほどなくして主に輸出用としてスニーカーの生産を開始。 戦後しばらくして国内にも急速に出回るようになり、1960年代にはスポーツ用や子供・若者の日常用としても使われるように。 高校以降は コインローファー などの革靴が標準通学靴として指定されていても、それと同等か準じる扱いで通学用に認められるようになります。
ちなみに現在も販売していて本格的な国産スニーカーの走りでもあるジャガーシリーズは、1973年に登場しています。 その後は海外のスニーカー ブランド とライセンス契約を結び (ニューバランス/ 1977年・コンバース/ 1981年)、様々な商品を展開。 日本により一層スニーカーを定着させた立役者といった存在感を持っています。 なお同時期、もう一方の雄であるアサヒシューズはナイキとライセンス契約を結んでいます。 前後して、マンガ や アニメ に登場するスポーツ少年・少女の必須 アイテム のひとつともなりました。
またこうした使われ方から、制服 などと同様にある種の若者の象徴として用いられることもあります。 例えばそれは、若者向けの ライトノベル 雑誌の誌名に選ばれたりです (角川書店のザ・スニーカーとかスニーカー文庫とか)。 また歩く・活動的といったイメージから、IT 関連の話題で オフライン でのデータの受け渡しをスニーカーネットワークと呼ぶこともあります。
1980年代に世界的なスニーカーブームが発生
スニーカーがスポーツ用や子供用、あるいは動きやすさから野外作業用といった機能性を重視した履かれ方を超えてある種のファッション・文化として若者層に本格的に普及したのは1970年代のアメリカでした。 NBA (全米バスケットボール協会) がもう一つのプロバスケットボール団体 ABA からチームを迎え入れ (1976年)、それに合わせて各靴メーカーが大々的な プロモーション などを行ったのがそのきっかけです。
アメリカではヒップホップやストリート系で使われたり (巨大なラジカセとジーンズ、帽子に Tシャツ スタイルでスニーカーとか)、大物アーティストがスーツにスニーカーを合わせたり (例えばビリージョエルの 「ニューヨーク52番街」(1978年) とか)、日本ではくるぶしの部分に星マークがついたコンバース (Converse) のハイカットスニーカーなどが人気となりました。
その後 NBA やバスケのみならずアメリカのアスリート界の伝説的大スターであるマイケル・ジョーダン (Michael Jordan) と、そのスポンサーであったナイキ (Nike) により、1984年に同氏をイメージしたバスケットシューズの新商品が販売されます。 この時代のスニーカーの代名詞ともなったエア・ジョーダン (Air Jordan) は世界的な大ヒットとなり、日本でも少し遅れて人気が爆発します。
折からの ジャージ といったスポーツウェアのタウンユースの広がり、1986年の人気ヒップホップグループ Run-D.M.C. の 「My Adidas」(マイ・アディダス) のヒットやアディダス社のスニーカー 「スーパースター」 人気、ロックバンド バンド 「ニルヴァーナ」 のコンバーススニーカーへの傾倒、1988年の ポップ・ラッパー、M.C.ハマーによるストリートダンスブームとの連続性などとともに、1990年代には日本の中高生の足元を一新するブームを巻き起こすこととなりました。
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