日本の制服女子の足元を席捲 「タータンチェック」
「タータンチェック」 とは、格子柄の 模様 になるよう織られた伝統的な織物のことです。 またその格子状の模様や 柄 を指すこともあります。 単にタータン、あるいはチェック柄とも呼びます。 日本では類似のものとして碁盤縞と呼ぶこともあります。
いくつかの 色 に染められた糸を使い、経糸と緯糸を直角に交差させて綾織りにしたもので、16〜17世紀頃のイギリス・スコットランド・ハイランド地方が発祥とされています。 織り方によって様々な パターン を作り、地域やそこを治める領主やその一族、階級などを区別する紋章や目印のような使われ方をされ、式典用の礼服や軍服などに使われてきました。 とくに伝統的な柄は2009年からスコットランド・タータン登記所 (Scottish Register of Tartans (SRT) にて登録・管理されるようになっており (新柄の登録も可能)、正式にはそれのみがタータンチェックを名乗ることが許されています。
用途としては民族衣装のひとつとしてキルトやストールとして身体に巻き付けたり覆いかぶせたりします。 とくに男性が巻きスカートのようにタータンチェック柄のキルトを腰に巻く姿は有名です。 またイギリスの伝統的アパレルメーカーがマフラーや服飾用の アクセサリー として販売したものは日本でも人気があります。
格子模様それ自体は日本にも様々なものがありますが、タータンチェックには高級舶来ものといったイメージが長らく存在しましたし、とくに鮮やかな赤をベースとしたものはイギリスをイメージするものとして愛されてきました。 これは伝統的でクラシカルなイメージと、その後のイギリスのロックバンド、とくにパンクなどの反体制的な尖った若者のイメージとが好まれたからでしょう。
学校制服に採用され、日本の若者を象徴するものにも
一方、おしゃれ着してだけではなく、学校の 制服 などに本格的にタータンチェック柄が用いられるようになったのは1980年代頃からです。 この頃、いわゆるつっぱりやヤンキーと呼ばれる生徒らの変形学生服を防ぐためや、私立学校などで学校の制服をより魅力的にリニューアルする試みが行われ、伝統的なフォーマル感と高級感のあるタータンチェックの ボトムス が、無地 の ブレザー といった トップス に合わせる形で採用されています。
いわゆるDCブランド (デザイナーズ・キャラクターズブランド) ブームを背景とした私立学校の 「かわいい制服にリニューアル」 発火点としては、東京の嘉悦女子高校のそれがとくによく知られています。 CI や SI (コーポレーティッド・アイデンティティから転じた、スクール・アイデンティティ) とも呼ばれるブランド化は、若者の価値観を一新しました。 世の中はバブルの時代に向かっておしゃれな スタイリッシュ さ 清潔感 が求められ、それまでのぶっとい黒ズボンや黒い ロングスカート を引きずるようなヤンキースタイルはすっかり影を潜めました。
制服にタータンチェックを用いるのはこの時代が初めてではありませんが、現在の 「タータンチェック柄の スカート や スラックス = 学校の制服」 のような スクールカラー のイメージが急速に拡大したのはこの頃からです。
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