同人用語の基礎知識

赤字サークル

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赤字もなにも、とりあえず趣味…ですからねぇ… (^-^;)

ま…まぁ み…みんなも ほら あ… 赤字みたい?だし? (同人する子)
ま…まぁ み…みんなも ほら あ… 赤字みたい?だし? (同人する子

 「赤字サークル」 とは、読んで字のごとく収支が赤字の 同人サークル のことです。

 ただし単に人気や知名度がなくて本が売れない 「同人サークル」 …だと云う訳でもありません。 実際、頒価 200円程度の コピー誌 がどれだけたくさん売れても黒字にはなりようがないわけで (最低でもコピー代金・イベント参加費・交通費がかかります)、主にサークル 主催者 が自嘲気味に、自分のさえないサークルをへりくだって呼ぶために使う場合が多いようです。

 ちなみに、全同人サークル の大半 (一説には9割以上) は、赤字と云われています。 中小企業などが節税のために赤字にしているのとは異なり、掛け値なしの マジ な赤字です。 まぁ、ほとんどの人はお金儲けのためではなく、単なる 趣味 や道楽でやっているんですから、当然ですけど。

 と云う訳で、以下にちょっと確定申告っぽい科目の挙げ方で、かかる経費を見てみましょう。

同人活動にかかる経費一覧

 以下の表は赤字サークルの説明の為に、活動に関わる費用を擬似的に税務的な科目として挙げているだけのもので、いわゆる所得申告に関する説明やアドバイス・参考等を目的として書いたものでは全くありません (そのような活動には、税理士等の国家資格が必要です)。 一応 筆者 はフリーランスで仕事をしていて確定申告も10年間くらい自分でやっていて、おおむねこの表のような科目で申告書を作って問題なく納税できていましたが、筆者の意図と異なる使い方をされて トラブル 等が起こっても、筆者は一切責任を負いません…。

 なお経費の部分では 「広告宣伝費」 とか 「図書研究費」 などもっともらしい科目名が並んでいますが、確定申告をしたことがある人はわかるでしょうが、実際の使途に合致しているのなら、別にどんな科目名にしても問題ありません。 ただ 「雑誌購入費」 よりも 「図書研究費」 の方が、何となくそれっぽいというだけです。

科目 補足/ 細かい項目

給料賃金 これを経費に入れたら、もの凄い事になるでしょうね(笑)。 フツーは、徹夜の連続でも 0えんです… (;_;)。
外注工賃 もっぱら 印刷屋 さんへの費用って事になるでしょう。 また誰かに寄稿して貰った時のお礼 (たいてい ゲスト さまには掲載同人誌の献本でお礼しますので、その 頒布 額が相当)…かなぁ?
減価償却費 う〜ん…、写植作りやカラー CG 原稿 作り、またはホームページ作りで使うパソコン購入代金あたりが該当するんでしょうか。 ただし10万円以下の安価なものだと、単年度償却の雑費扱いになりますけど。
地代家賃 考え方としては、同人イベントの参加費が、これに当たるでしょうね (サークルスペースの賃貸料金として)。 執筆段階では、もっぱら同人活動に使う目的で部屋を持ってないと、まぁ発生しない科目ですね(笑)。





荷造運賃 自宅にある同人誌の在庫を会場まで運送屋さんで配送する経費や、通販のそれが当たるんでしょう。
水道光熱費 例えば毎日2時間ずつ同人活動を行う為に電灯をつけていれば、月の電気代の12ぶんの1くらいは、これに当たります。
旅費交通費 イベント会場への往復の電車賃、また遠方からの参加なら、その常識的範囲内での宿泊料が含まれるんでしょうね。
通信費 同人仲間との連絡の為の電話代金や、メール 交換の為のプロバイダ料金なんかが (あくまで同人活動に関する割合の範囲で)これに当たるでしょう。
広告宣伝費 ペーパー のコピー・印刷代金あたりですね。
接待交際費 う〜ん…(笑)。
消耗品費 マンガ用紙からペン先・消しゴム・トーンなどなど、同人活動に直接関わる経費のほとんど全てがこれでしょうね。
図書研究費 プロ作家などが所得申告する際に独自に設けている科目 (名称は様々)で、例えば マンガ の背景を描くための風景写真集等の購入費用が、これに当たります。
雑費 その他のイレギュラーな経費です。

やはり同人や同人サークルはそう簡単に儲かりませんね

 なんと大雑把にみても、これだけ掛かります。 まぁ純粋に営利活動として同人活動を行っている人は希でしょうから、印刷代金あたりを除けば、交通費にしろ通信費にしろ、全額を経費に挙げるのは無理がありますが、う〜ん、どうでしょう、やっぱり儲かりそうにありませんね、あまり。

 印刷屋さんに印刷や製本を頼む オフセット本 なんかの場合、部数 を刷れば刷るほど1冊あたりのコストは安くなりますから、ある段階を超えたら利益率もぐっと上がりそうですが、まぁ100冊から 300〜400冊程度の印刷部数だと、よほど本の頒価を上げないと、そう簡単に利益など出ないでしょう。

 なお、もし儲かってしまったら、当然の事ながら税務署にキチンとした所得申告を行い、しかるべき税金を国に払う必要があります。 年間 20万円までの儲けなら、雑所得として申告の義務はありませんが (ただし国税のみで地方税は別)、自分が該当する場合にはオトナなんですから、ちゃんと行いましょう。

同人サークルとしてのあり方

 蛇足ですが、同人活動を実利的趣味、あるいはビジネスとして行っている人 (「専業同人屋 」さんとか) に関しては、その人その人の見識の問題ですし、他人が袖からアレコレと云うべき事ではないと思っています。 ただ筆者個人としては、趣味なんてものは元来持ち出しで行うべきスジのものですし、それに他人が 版権 を持つ著作物のオマージュ、パロディ、インスパイア等云い方は色々あるにせよ、二次創作、無許可利用で生活費を稼ぐような事はしたくないなぁ…とか思っています。

 同人 と云うからには、その間を移動するお金に関しては、実費、もしくは読みたい人が描きたい人に対して行う自主的な一種の寄付・援助 (大道芸人に対する投げ銭) のカタチを取るべきで、描く人も事前にそれを当て込んで実費からかけ離れた金額を提示するのはお門違い…な気がします。 そもそも 「同人」 ってのは、描き手だけでなく、読み手も含む 概念 だと思いますし、両者揃って初めて完結する世界だと思います。

 でもこんな考え方は、いまや古いのかなぁ…。

「同人」 と 「お金儲け」、解決不可能な永遠のテーマなのかも…

 まあ膨大な時間をかけて漫画を描き、「売れ残ったら大赤字」 のリスクを全て自分だけで背負って大部数を発行し勝負にでる活動も、それはそれでアリだと思いますし、「金儲け」 が悪いことだと一概には云えませんけれど、ここらは昔から結論の出ない堂々巡りのお話になっていますね。

 「儲けがいらないなら、無料で配れ」 と云われても困ってしまいますし、トントン (収支均衡) を目指すにしても、最終的に利益が出たら 「金額はともかく、とにかく同人で儲けているじゃないか」 となりますし。 また オリジナル作品 を出しながら、版権ものの二次創作も行い、オリジナル部分で赤字、だけど版権部分も含めた活動全体では黒字ならどうだとか、あまりに 「ケースバイケース」 で、ハッキリとしたラインは引きづらい感じです。

 う〜ん、皆さんはどう思いますか? 

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2000年6月20日)
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